歳を取ると、何かと難しくなるセックス。
だけど、歳を取ってもセックスを楽しんでいる高齢者は多いようだ。
これから先、夫婦二人が健康に心豊かな老後を迎えるために、次の本を読んでみた。
東大名誉教授の私が「死ぬまでセックス」をすすめる本当の理由 石川隆俊 著
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60代以上の高齢者男性の8割、高齢者女性の7割以上がセックスに積極的という事実。
一方で、50代以下はセックスレスの進展。
そのセックスおいて重要な役割をもつのが副交感神経。
副交感神経は、主に夜間、心身をリラックスさせて休息を促す神経。
一方、交感神経は、バリバリ仕事をしたり、元気よくスポーツをしたりするために、心身を活発にする神経。
セックスの最中は、副交感神経が優位に働いている。
セックスにおいては、精神状態がリラックスしていること、つまり副交感神経が優位になっていることが、非常に大事。
勃起という現象は、陰茎がたくましくそそり立ち、性の力がみなぎった状態を示しているように見える。
立派な勃起は、実は、副交感神経が優位な状態、心身ともに緊張が少ないときにこそ可能らしい。
また、ED(勃起不全)は日本人男性の3人に1人が悩まされている国民病。
EDを引き起こす原因の多くは、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの病気によって、血管や神経が侵されて起こるケース。
勃起改善薬としてバイアグラが利用されるが、このバイアグラは、もともと心臓の血管を広げる効果があり、狭心症の薬として開発されたもの。
それが、陰茎海綿体の筋肉(平滑筋)の緊張を緩め、血流を良くする作用が高いために判明し、ED治療にも利用されるようになった。
バイアグラは重要な副作用がほとんどなく、安全な薬。
ただ、心臓に疾患があって、ニトログリセリンなどの薬を服用している人は、必ず担当医に相談の上で服用する必要がある。
高齢者にとって、残された人生を豊かにしてくれるもの、それはセックス。
年を取ってからのセックスには、若い頃に味わうしびれるような刺激はない。しかし、その代わりに、この世に生まれてきたことを認めてもらったようなほっとする安らぎ、今まさに生きている快さ、喜びがある。行為の後には、生きていく自信が湧いてくる。
セックスから学ぶべきことは多い。
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